ピアノ上達の道8話となりました。
教室開業に至る第7話も終わり、そろそろ上達の道としての内容も濃くお伝えしていければ…と思います。
そもそも「上達」とは何なのでしょうか?
テクニックがすごい、暗譜がすごく沢山出来る…といったことでしょうか。
それとも観客の皆さんに感動してもらえることでしょうか…
今まで弾けなかった曲が弾けるようになれば上達した、と自分自身で実感しますよね。
こう考えてみると「上達」という言葉自体、不確かな言葉です。
とりあえず、ここは教室のブログなので、「上達」はご自身やご家族の方が実感するもの、として話していこうと思います。
上達のために必要なこととして、今回お伝えしたいのは、「色々な芸術に触れる機会を持つ」ということです。
まず、ピアノを習うのなら、コンサートへ出掛ける機会をなるべく沢山作ること。
レッスンや練習だけが音楽ではありません。
コンサート会場へわざわざ足を運び、チケット料金を払って生の音楽を聴くことは、IT社会に生きる現代人にとっては、非常に非効率的なことでしょう。
しかし、その非効率的なことを通してしか発見出来ないものが沢山あります。
時にはガッカリするコンサートだった、という場合もありますが、それも自分の演奏の糧になります。
何故ガッカリな内容だったのか、他のお客さんは楽しんでいたのか?等、研究出来ることは沢山あります。
同じ曲でも演奏家によって、違ってくるのも、クラシック音楽の面白い所です。
コンサートへ出掛ける機会が多いお子さんは自分で弾きたい曲があったり、音楽のイメージが豊かになります。
ピアノを習うのは弾く為だけではなく、聴衆として音楽を楽しむ為でもあります。
分からなかったり、つまらなかったりするかもしれませんが、それも勉強です。
何回も聴いてみるうちに好きになることがあります。
今は音楽の大量消費社会とも言えます。
以前は大切なお小遣いを貯めて、一生懸命選んで買った一枚のCDを何回も何回も繰り返し聴きました。
次の曲はアレだ、と曲順を覚えたり、ノイズも覚えたりしていました。
それ位、聴き込んで曲を知り、好きになるものでした。
今はCDを貸しても、1回聴いてみて、あまり気に入ったのはなかった、と言われることがよくあります。
そのため、少なくとも5回は繰り返し聴いてみて、と伝えています。
CDである程度曲を知り、繰り返しになりますが、やはり生演奏を沢山聴くことが何より大切です。
芸術はアウトプットするものですが、その為には自分の中にインプットする作業が必要です。
素晴らしい芸術に触れること、音楽、絵画、その他の芸術作品、幅広く触れて、自分がまずは感動することです。
これだけのことを言うには、まずは私自身が行動しなくては説得力がありせんね。
私はコンサートはもちろん、美術館へ行くのもイマジネーションが広がるので大好きです。
昨日はホックニー展を観に、木場の現代美術館へ行ってきました。
色使いが面白く、母の故郷のヨークシャーの絵もあり、懐かしく思いました。
初めて観た絵でも懐かしさを感じることが出来るのは不思議です。
すぐにアウトプットには繋がらなくても、コツコツ芸術体験を積み重ねていくと、ある時、色んなことが繋がることがあります。
せっかく音楽をしているのですから、幅広い視野で芸術を楽しんで欲しいと願っています。
そしてそれが上達にも繋がることでしょう。