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ピアノ上達の道2-恐怖の入試

第1回目の私のピアノ史の続きです。

演奏試験を受けた当時は21歳だったように思います。

この頃は緊張と暗譜の不安で非常に悩んでいました…

演奏試験には一曲暗譜で演奏することになっており、リストの愛の夢第3番を弾くことにしていました。

教室発表会では無事に弾けたので、大丈夫かな…と思っていたのですが…

当時、色々な不安がありすぎて練習に身が入っていなかった、今思えば練習のやり方も間違っていました。

そんな悪い状態で試験にのぞみました。

初めての演奏試験、どんな場所か、先生方はどんな距離にいて、どんな表情でご覧になっているのか、全く予想出来ていませんでした。

恐怖と言っても過言ではありませんでした。

演奏を開始して、生まれて初めて頭の中が真っ白になり、全く弾けなくなってしまいました😢

途中で止まって「最初からやります」と先生方へ言ってから弾き始めましたが、やはりある所へ来るとどうしても思い出せず、弾けません。

あまりのパニックとショックで、今となっても最後まで弾いたのかどうか、記憶がありません。

試験の後は泣いたような記憶があります…付き添ってくれた母が「大丈夫よ」と慰めてくれて、一緒にショッピングへ行ったのはよく覚えています。

とても懐の深い母でした。

この学校の入試は同じ曲を一ヶ月後にまた弾くことになっていました。

大失敗した試験の後、教授の先生に、「また一ヶ月後にもう一度聴くので、そこで落ち着いて弾けるように準備して下さい」と言われました。

この準備期間はともかく、暗譜の為に色んな方法を試しました。

練習の時間を色んな時間に変えたり、準備練習せず、いきなり本番を想定して弾くことをしたり、暗譜を確かなものにするために写譜(楽譜を自分の手で書き写す)をしたりしました。

試験会場の雰囲気も分かったので、イメージして練習することも出来ていたように思います。

また、緊張を克服するための本を何冊か読んだりしました。

入学希望していた学校のピアノ科の先生の体験レッスンも受けることが出来て、少し自信も持てました。

2回目の演奏試験はそんな準備の甲斐あって、最後まで止まらず弾くことが出来ました。

表現力うんぬんはさておき、最後まで弾けたのが嬉しかったです。

無事に入試を突破でき、22歳の春に音楽短大に入学しました。

学校生活は今まで通っていた四年制大学とは大きく違いましたが、現役で入ってきた学生さん達とは思いの外仲良くなることが出来ました。

アットホームな雰囲気があったのがとても良かったです。

しかし、肝心の私のピアノ演奏はまた一段と悩みが深まる一方でした…また第3回へと続きます。